かに座 神話
かに座に関する神話をいくつかの書籍より集めています。
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「星空の神々-全店88星座の神話・伝承」編
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★踏みつぶされた化けかに
英雄ヘラクレスは大神ゼウスとミュケーナイの王女アルクメネーとの間にできた子である。
しかし、ゼウスの妻、女神ヘーラーは夫の浮気が腹立たしく、生まれる前からヘラクレスを憎んでいた。
そこで彼女は策略を用い、ヘラクレスがティーリュンスの王エウリュステウスのもとで12年の間、仕えるように仕組んだのだった(ヘルクレス座を参照)。
さて、ヘラクレスはエウリュステウス王の命令で、レルネの化け蛇ヒドラ(うみへび座)を退治することとなった。
このヒドラは恐ろしい怪物で、9本の首をもち、しかもいくら切り落としても再生してくるので、さしものヘラクレスもかなり苦戦していた。
ヘーラーはヘラクレスを殺す好機と考え、ヒドラを手伝わせるために1匹の巨大な化けかにを遣わした(別説では、この化け蟹はヒドラとともにアミュモーネーの泉に棲んでいたかにで、友人ヒドラの危機に駆けつけてきたともいわれる)。
ところが化けかにはあっさりとヘラクレスに踏みつぶされて死に、ヒドラもヘラクレスの甥イオラオスの機転で倒されてしまった。
ヘーラーは嫉妬深くはあったが決して邪悪な女神ではなかったので、死んだヒドラ川ヒけかにの2匹の怪物を哀れに思い、天に昇げて星座とした。こうしてヒドラはうみへび座となり、化けかにはかに座となったのである。
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「星空の神々-全店88星座の神話・伝承」