さんかく座

さんかく座に関するお話をいくつかの書籍より集めています。

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「星空の神々-全店88星座の神話・伝承」編

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■よく見える季節:12月ごろ(一部南天)。
■20時南中の時期:12月17日
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 さんかく座はアンドロメダ座のすぐ隣、腰にあたるβ星のミラク(「腰」の意味)からちょっと南側にずれたところにある、小さな星座です。

 さんかく座はその名のとおり、3つの3等星で作られた、細長い二等辺三角形をしています。小さくともわりと目立つ星座なので、秋から冬にかけての条件の良い夜ならさほど苦労せずに見つけることができるでしょう。


★ナイルの三角州
 さんかく座はかなり古い時代から知られており、古代ギリシアでは「デルトトン」、つまりデルタ座の名で呼ばれていました。いうまでもなくこれはギリシア文字の4番目、大文字のデルタ「△」に由来します。

 エジプトでは「ナイルの家」「ナイル川のデル」の名でよびました。こちらのデルタはギリシア文字ではなく、ナイル川にある三角州(デルタ)のことを指しています。

 また、アラビアではこの星座のα星カプト・トリアングリ(三角の頂点)とβ星を結ぶ線を「アル・ミーザーン(秤竿)」と呼んでいました。

 中世になってキリスト教の時代に入ると、さんかく座はキリスト教の「神と聖霊と人間の調和」を謳った三位一体の教えのシンボルとされたり、初代ローマ法王とされる使徒ペテロのかぶっていた三角形の頭巾と見られたりもしていました。

 日本でもこの星座を「三角星」と呼ぶ地方があります。

 さんかく座はプトレマイオスの設定した48星座の中に入っていますが、残念ながらこの星座に関して伝わっている神話はありません。

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「星空の神々-全店88星座の神話・伝承」